本会では産後リハビリテーションを、産直後のみならず、経産婦であれば一生涯、該当するウーマンズヘルスケアの1つとして捉えています。
育児中の方に限らず、広い年代に必要なケアであると考えています。
今、なぜ産後リハビリテーションが必要なのでしょう?
女性にとって大きなライフステージとなる、妊娠・出産。
西洋的な生活様式になった現代女性は、出産を機に受けた骨盤底へのダメージを、日常生活のなかで十分に回復することが難しい身体になってきています。
産後に尿漏れを経験する女性は、なんと4人に1人ともいわれています。
出産を経験した女性からこのような多くの悩みが聞かれます。
□尿漏れ
□お風呂のお湯が膣に入る
□膣に空気が入る
□腰痛
□恥骨痛
□体型の変化
これらのマイナートラブルともいえる悩み。誰に相談すればいいのでしょう?
現在、このような悩みを解決してくれる専門的医療機関が少ないのが日本の現状です。
妊娠・出産・育児環境の先進国ともいわれるフランスでは、
産後10回まで、専門の運動療法士(本邦での理学療法士)や助産師による、骨盤底をはじめとする身体ケアをうけることが保険下で保障されています。
このような専門家の下でのケア環境が国家レベルで整えられているということは、
それが必要だからともいえます。
西洋式の生活になった日本の現代女性である私たち。このまま、マイナートラブルを抱え、幸せな育児ができるでしょうか?
マイナートラブルがなくても、加齢による機能低下を加速させる要因となり、進行すると『骨盤内臓器脱』という病気(膣から子宮が脱出する子宮脱など)にもつながりかねません。
今、必要なのは骨盤だけに特化した骨盤矯正やダイエット目的ではなく、
骨盤底を中心とした身体全体の機能回復を目指した、
専門家による産後リハビリテーションなのです。
最後に、本研究会の活動が、産後リハビリテーション分野の発展に貢献していけることを願っています。